母乳のメリット

母乳育児がいいというのも概念のひとつとして捉えれば、別にその通りやらなくてもいいのでは?と思われるかもしれません。しかし、母乳育児はヒト以外の哺乳類ならば必ずやっていることで、生物としては自然の姿ですから、いいことだからやるのではなくて、当然やるべきことといっても良いでしょう。

さらに母乳がなぜ良いのかというと、母乳には赤ちゃんの成長を支えるために絶対的に必要な栄養素がたくさん含まれているからです。逆をいえば、母乳を与えなければ赤ちゃんは必要な栄養素が不足してしまう危険性があるということでしょう。

母乳に含まれている栄養素は、乳糖や脂肪、タンパク質、ビタミン、ミネラル、カルシウムなど、身体をつくるために必要不可欠なものばかりです。これを市販の用品で補おうとするととても手間がかかりますが、母乳はすべてを網羅しているので何を加える必要もないのです。

最近の育児用ミルクは栄養素の面に関していえば、母乳と遜色ないところまでクオリティが高くなっているといわれています。しかしながら、赤ちゃんがさらに必要としている外敵から身を守るための抗体や免疫物質までは補うことができません。母乳にしか含まれていないのです。

また、母乳は赤ちゃんの未完成な内臓にもとても優しく作用し、それらを丈夫に成長させる役割をしっかりと果たします。人工的なものではとても太刀打ちできない力が母乳にはたくさん凝縮されているのです。

 

授乳についての注意点

母乳が素晴らしいことは理解したとしても、実際に授乳するにあたり数々の不安にみまわれることも事実です。実際に赤ちゃんがどれだけの母乳を飲んでいるのか。自分の母乳は十分な量出ているのか、いわゆる”母乳不足”という状態に悩む方も少なくはありません。

母乳不足か否かは実は明確な判断基準はありません。赤ちゃんが母乳を飲む量は毎回異なりますし、個人差も当然あります。もっともヒントにしやすいのは赤ちゃんの体重がなかなか増えない、あるいは増加が遅いといったポイントです。

もし、体重増加に問題がなければ、母乳が足りないということは心配する必要がありません。赤ちゃんが毎回飲む量が違うことも当然のことで、それは私たちが食事する量が毎回違うこととまったく同じです。しかし、1日に飲む総量は毎日ほぼ一定であるという原則はあります。気をつけるのであれば、1回1回の量ではなく1日の総量についてです。

毎日、赤ちゃんが母乳を欲しがる回数も異なるでしょうし、飲む量も違う。もっとも大切なのは母親の都合ではなく赤ちゃんが母乳を欲しがるサインとともに授乳をすることです。欲しがる回数が少ないことや、飲む量が少ないことでいちいち気にすることはありません。

ほんのすこしの変化だけでも不安になり、育児用ミルクに切り替えてしまう母親もいるようですが、赤ちゃんの日々の成長を長い目で見てあげることを、ぜひ心がけて欲しいのです。母乳が少ないのでは?と授乳に不安がある場合は、赤ちゃんの体重チェックをしてその結果から読み取るようにしてください。